パリ管弦楽団 来日公演 2013

初めてパリ管弦楽団を聴いたのは,一昨年のことです.
その時のペトルーシュカのあまりの巧さに衝撃を受け,また来日することがあれば必ず行こうと決めていました.
そして2年ぶりに実現です!

シベリウス: 「カレリア」組曲 op.11

指揮者含めて前回と変わらぬクオリティ.とりわけ軽く演奏すべきところの軽快感がよく,まるで弾むよう.
ソロは華やかに吹かせつつ,それ以外は音色をピタッと揃えたアンサンブル.
不思議と穴となるパートがなく,縦もきっちり揃えることができている.
トランペットも簡単ではないと思うが,全く落ちる気配がないところがすごい.

リスト: ピアノ協奏曲第2番 イ長調 S.125

ピアノ・ソロはジャン=フレデリック・ヌーブルジェさん.見た目の印象ではすごく若そう.
そして,歩き方がちょっと変?ぎこちない感じが何だかまるで子供みたい.
表面的な話はともかく,音色は多少冷徹なところもあるとは言え抑制が効いていて聴きやすい.
難所も指がまわりまくりで,余裕で弾いているのが分かる.
チェロのソロもとても良かった.歌いどころのヴィブラートや音の減衰のさせ方に非の打ち所がない.
ソリストでも普通にやっていけるんじゃないのか,という位でびっくりした.


曲自体の印象ですが,全体的にとらえどころがなくて微妙なイメージが残る.
どうも聴き映えするところが少ないというか,主題以外は記憶に残りづらいなあ.
オケもピアノも上手なんだから,もっとベタな曲をやってもよかったのでは.

サン=サーンス: 交響曲第3番 ハ短調 op.78 「オルガン付き」

ああ,懐かしい.高校時代に吹奏楽のコンクールで演奏した曲です.当時はまともに吹けなかった思い出しかないのですが...


厳しいかもしれないけど,演奏はもう一歩,いや半歩欲しい出来.
メロディ以外の和音を作るパートがうまく響いてない時間帯が結構あったのが気になってしまった.
特に1楽章の冒頭は音楽の流れが続かない.3楽章は聴かせどころだけあって,最後に至るまでの盛り上げ方も良かっただけに惜しい.
前回のペトルーシュカ並みのインパクトではなかったが,全体的にはまあまあ.
このコンビは交響曲よりバレエ音楽のほうが得意なのかな.