ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 来日公演 2013

トップオケ最後の演奏会は,言わずと知れたベルリン・フィル
これまで何度も海外オケは聴いてきましたが,ベルリン・フィルの演奏会は初めて.
特に敬遠していた訳ではないのですが,チケットのあまりの高さにずーっと躊躇していました.
この先行くことは無いかもなと思っていましたが,2013年は有名オケがこぞって来日したため,
もうここでベルリン・フィルだけ外すわけにはいかないだろ,と勢いで買ってしまったのでした.

ブーレーズ: ノタシオン

この曲は初めて聴いた.おそらく,殆どの人はそうだと思う.
それでも,強烈なまでに巧いのがはっきりと分かってしまう.
現代音楽で不協和音だらけなのに,この不協和音がきちんと響く.これがどれだけ難しいことか.
鳴らしていても全くうるさく感じない.その上,弦も管も全ての音が1つに溶け合う.
2階席で聴いていたのだが,何でこんな音が出せるのか不思議に思うほど.
パート間の受け渡しも難曲なのに平気な顔して出来てしまう.
一番最後の楽章だけ少しだけ騒々しくなり,荒くなりかけたけど,気にするほどではないだろう.

ブルックナー: 交響曲 第7番 ホ長調 WAB107 (ハース版)

前曲に続き,本当に素晴らしい演奏.
減点法で見れば細かな問題はあるが,生演奏でここまでできるとは.
静謐なブルックナーの世界観をしっかり表現できているし,歌い込みのメリハリも効いている.
クレッシェンドに入る前の低音部含めた音の密度,エネルギー感がものすごく,いつまでも緊張感が持続する.
一番最後だけトランペットが少しミスしたっぽかった(?)けど,そこはご愛嬌.
演奏が終わるまで,拍手やブラボーのフライングもなく余韻も楽しめました.


最後に.
今回,初めてベルリン・フィルを聴いたのですが,他のオケからは頭一つ抜けていると思います.
それはそれで非常に喜ばしいことのなのですが,他のオケも負けずに頑張ってほしい.
方向性はそれぞれに個性があるので,ベルリン・フィルと同じことをする必要は全くないのですが,
これくらい完成度を高められるオケが他にもあるといいなあ.