ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団2010年日本公演

やっと,海外オケ到来の季節がやってきました.
春以来全然コンサートがなく,秋に集中していたので待ち望んでいたのでした.

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

あまりに有名なので,あれこれ説明する必要もないでしょう.
自分の中では,眠りの森の美女のドラティ盤を聴きまくっていた時期があり,その印象がとても強い.
昔の録音なので,今となっては人もだいぶ入れ替わってるだろうけど...

曲目

オペラ「ウィリアム・テル」序曲

し,渋い!
冒頭はチェロのソロとアンサンブルで始まったのだが,弦の音色が渋すぎる.
現代のオーケストラによく見られる,明るい音色や機能的な響きとは全く違う.
この時代にこれだけの個性があるのは貴重だ.
管楽器は音が丸い感じ.にも関わらず,縦がぴしっと揃っていて綺麗な和音を聴かせる.
そして,これらが重なり合い,弾むようなリズム感でメロディが流れる.
コンセルトヘボウのよさはここにあると思う.

ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64

シャハムさん,テクニックが本当にすごい.難なく弾きこなせるぜー,ってのが伝わってくる.
けど,ちょっと音が小さかったかなー.
自分の席が1階のちょっと遠目だったので,ホールの響きも影響したのかもしれない.
特に最初は遠慮がちだった気がする.
徐々に本領発揮した後半は圧巻だった.というよりも,コンチェルトのはずが独壇場になってしまった.
これはこれでありか〜.
あと,節目ごとに指揮者と息を合わせるためなのか(?)弾いてる時も壇上で動きまくり.
ゆうに2メートルはしょっちゅう行き来していた.笑

交響曲第4番 ホ短調 op.98

個人的に,ブラ4はブラームスの中で1番好きな曲.というか,全ての作曲家を見渡してもかなりの上位に入る.
そんな思い入れがありすぎたか,聴いた印象としてはちょっと消化不良だった.
ブラームスの持つ,各パートの奏でる音が次々に重なり合う感じが,時々しか出なかったかなあ.
トゥッティは,それこそ文句のつけようがない程美しい響きだったが,動きのあるパッセージがあると
少々ずれたりバランスが崩れたりしていた.
あ,でも3楽章は,さすがコンセルトヘボウ!って言えるくらいよかったよ.
音が眼前で飛び跳ねているようだった.

アンコール

前半・後半共にアンコール2回ずつやってくれました.これがまたうますぎ.
最後のファランドールとかすごくイキイキしてるし.特にパーカッション(バスドラ,シンバル)が,きっちり揃えてくる.
気持ちのよいラストでした.