ロンドン交響楽団2010年日本公演

ロイヤル・コンセルトヘボウに続いて,ロンドン交響楽団が来日しました.
今年はマーラー作品を演奏し,しかも5番と9番をやるということで,調子に乗って2回も行ってしまったとさ.

ロンドン交響楽団

イギリスのオーケストラと言えば,ロンドン交響楽団.CDも沢山出ています.
しかも指揮者がワレリー・ゲルギエフソリスト諏訪内晶子で出演者は文句無し.

曲目

11/28公演

12/1公演

シベリウス ヴァイオリン協奏曲

諏訪内さんには度肝を抜かれた.
最初に音を聴いた瞬間,「えっ,うますぎる」と感じたくらいで,こんな上手なソロは初めて聴いた.
ホール2Fまで響き渡る突き刺すような音色に,確かなテクニック.シベリウスのもの悲しい空気.
ヴァイオリン1つでここまでできるとは...
アンコール含めて45分間くぎづけだった.


オケはどうかというと,音色・響かせ方共にとてもスタンダードで,奇をてらわない印象.
2階席で聴いたけど,パートごとの音が少し分離してたのがちょっと気になった.
ただ,これはホールや席のせいかもしれない.
諏訪内さんと息の合っているところは素晴らしかったと思う.

マーラー 交響曲第5番

出だしは叩きつけるような音で荒々しく始まる.それにも関わらず,縦はぴしっと揃っており乱れない.
これがゲルギエフ節か〜.何だか吹奏楽で有名な駒澤大みたい.
そういえば,指揮の仕方も右手をヒラヒラさせるところが似てる感じがする.


しかし,またもホールの響きがおかしいのか席が悪いのか,途中で音が響きすぎの状態になり,
頭の中がワンワン鳴って意識飛びそうになった.ちょっと辛かったなあ.何でだろう.
あと,全体を通してマーラーっぽさはあんまり感じなかったな.
音色が綺麗すぎて,陰鬱とした暗ーい雰囲気を作ってゴリゴリと音を出す,というのは難しいかもしれない.

マーラー 交響曲第9番

3楽章までのアンサンブルはちょっと甘かったかな〜.
指揮者が求めるものが高すぎて,完全にこなせてはいないように見える.
4楽章以降の歌い込みはさすがゲルギエフ
思い入れたっぷりで,重厚な演奏だった.
最後は消え入る弦の音が消えてからも数十秒間は無音状態で,会場全体がすごく緊張したよ.