ローマ・サンタ・チェチーリア管弦楽団 2011

もう完全にタイミングを逃してますが,昨年,ローマ・サンタ・チェチーリア管弦楽団を聴いてきました.
感想を書きかけのまま,ずっと放置していたという,何ヶ月かぶりのエントリ.
ここから,いくつか去年行った演奏会の感想を連投します.

震災の影響でリヨン管弦楽団はキャンセルに

実は,6月ごろにフランス国立リヨン管弦楽団が来るはずだったのですが,キャンセルの憂き目に遭い,
結局コンビニまで払い戻しに行くハメに.
正直めんどくさかったけど,こういう経験もそうそうできないなと思いつつ,次の演奏会を待っていました.
(ちなみに,キャンセルされると手数料含めて諸々全部返ってきます.)


さて,イタリアのオーケストラである,ローマ・サンタ・チェチーリア管弦楽団
イタリアオケってあんまり聴いたことがありません.CDやラジオでもあまり聴いた記憶がなかったり.
どんなサウンドを披露してくれるんでしょうか.

プッチーニ: 交響的前奏曲

第一印象は,想像していたよりはるかに均整のとれたサウンド
もっと,ある意味ノリで勝負的なイタリアっぽさ(?)があるのかと思ったら,意外と大人だった.
木管のピッチが不安定なのがちょっとだけ残念だったけど,その他に大きな問題はなかったように思う.

ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op.18

ピアノはベレゾフスキーさん.
初めて聴きましたが,一言で言えば「走る重戦車」.
自分の音楽を迷いなく、ピアノに叩きつける演奏.そして,テンポがものすごく早い.
そんなに早く帰りたいのかよ,ってツッコミたくなってしまうくらい早いぞ.
当然テクニックがなければそんなこともできないのだが,出だしからずっとそんな調子で,笑いそうになってしまった.
しかし,そんな勢いで弾いていると,オーケストラとはテンポが合わないこともしばしば.
たまにヒヤヒヤさせられることもあったりした.

リムスキー=コルサコフ: 交響組曲シェエラザード」 op.35

最初にも書いたけど,割と整った感のあるサウンドで,総じて流麗な演奏.
ゴリゴリしたロシア的な要素はなくて,安心して聴いていられる.


ただ,その綺麗さがアダとなったか,2楽章あたりは全体的にモヤっとした雰囲気になってしまい,正直眠かった.
何度か意識飛んだかも...
最終章は集中力も見事で,とっても伸びやかな音を聴かせてくれた.
(やっぱ,最後の方はリハーサルもきっちりやってるのかな...)
最後の最後は盛り上げてやるぜー,ってのがひしひしと伝わってくる.
ソロが少々不安定だったのは,この際目をつむろう.笑

最後に

開演前はコテコテのイタリアらしいサウンドを期待していたのですが,思ったほどローカルな音作りはでなかった.
パンフレットにもイタリアらしい音を云々と書いてあったけど,そんなに強調するもんでもないだろう.
今の時代,どこのオーケストラもある程度は均質化されていくのかな,と感じる.


ただ,団員さんの風貌はさすがイタリアで,ぱっと見「パヴァロッティかよ!」と突っ込みたくなるような人が多かった.
彫りが深いとヒゲが似合っていいなあ.