パリ管弦楽団 2011

去年聴いた最後の演奏会は,パリ管弦楽団
サントリーホールの1階席ど真ん中という,ラッキーな位置が取れたので,嬉々として会場へ向かう.
休みの日だったので,事前に最寄り駅にあるPAULというパン屋さんでクロワッサンを食べた.
ちなみに品川にも同じ店があるけど,こっちもおいしいよ.

メシアン: 忘れられた捧げもの

艶っぽいとは言えないが,透明感のあるバイオリンが好印象.
それとフルートがすごく上手.音がきれいで,歌がよく伝わる.


途中の強奏部は一糸乱れぬ音で,すばらしい.緊張感がありすぎて,何かコンクールみたいだ.
オーケストラの音が前面に出てくるし,立体感がある.
最後は消え入るような音だったが,咳をしている人が多くて少々残念だったなあ...
曲自体,現代曲だけあって難解かつ難易度も高そうだった.一度聴いただけでは,味わいきれないな.

ラヴェル: ピアノ協奏曲 ト長調

ピアニストが少し固かったか,ピアノとオーケストラがイマイチ噛み合ってない.
頑張ってるのはいいとしても,最終的には「協奏」にならんとな.
オーケストラは軽快なソロでリズミカルに盛り上げるが,ピアノはその勢いにちょっとノレて無い感じ.
曲自体難しいというのも分かるが,あと一歩かなあ.

ストラヴィンスキー: バレエ「ペトルーシュカ

何度もCDで聴いたことのある,この曲.
ソロがみんなうまかった.トランペット,クラリネット,フルート,全て.
技量が高いし,ほとんどミスらない.


オーケストラ全体もテンポを揺らすところが,よく訓練(?)されている.
バレエ音楽なので,情景の描写が大切なのだが,ほぼ完璧だったんじゃなかろうか.
劇に出てくる人形が飛び回っている様子が目に浮かぶようだった.

さいごに

こんなことを言うととっても失礼なのだが,想像していたよりはるかに巧かった.
ライブ録音をいくつか聴いたことがあったけど,こんなにダイナミックなサウンドではなかった気が.


指揮者ヤルヴィの統率力が効いているのかもしれない.
指揮が分かりやすくて,何をしたいか傍から見ていてもよく分かる.余計なジェスチャーもない.
いいコンビなので,長く続けてもらいたいと思う.