ハンブルク北ドイツ放送交響楽団 2012

去年行ったコンサートを全然アップできずにいました.
実は,下書きだけしてそのまま放置してしまったのですが,そろそろ全部吐き出すことにします.


というわけで,北ドイツ放送交響楽団
このオーケストラは,ヴァント好きの自分としてはどうしても気になる.
指揮者が最近変わったので,昔と違ってどういうカラーになったか知らないが,今の音を知りたくて行ってきた.

モーツァルト: オペラ「フィガロの結婚」K.492 序曲

思ったのと...違う!とにかくテンポが速い!そして,想像していたより音が軽い.
こうきたか.
演奏スピードが速いので,わりとさらっと歌うイメージのフィガロの結婚でした.
プログラムの1曲目という全体の流れとして見れば悪くないけど拍子抜け.

メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64

ソリストクリスティアン・テツラフさん.
率直に言ってテンポが早すぎ.弾くのに精一杯という感じに見える.
時折ノリノリで歌うところもあるんだけど,よしあしのムラが大きいなあ.
もうちょっとコンディションが良い時の演奏を聴きたかった.
逆にオーケストラは余裕しゃくしゃくだね.前曲よりも"らしい"雰囲気があったと思う.

ブラームス: 交響曲第1番 ハ短調 Op.68

指揮者の持つイメージを強く反映した組み立てになっていたのか,精緻な演奏なのだが率直に言って迫力に欠ける感が否めない...
結果的にブラームスの音楽というより,ヘンゲルブロックの音楽という印象が強かった.
特にテンポの揺らし方が恣意的すぎるんではないかなー.
それから,綺麗な響きを持っていても,もうちょっと鳴らさないと.
特に4楽章は絶対的な音量が足りてなかったように思う.1階席中央だったから物理的に遠いということはないはず.
俺が期待しすぎたんだろうか.


全体を通して,オケのサウンドがホールに広がる感じはしないが,響きそのものはよかった.
雰囲気が室内楽に似ていて,アンサンブルがまとまって聞こえるのは好ましい.
このままオーケストラとしてのパワーをもう少しだけアップできたらと思う.