フランクフルト放送交響楽団 2012

これまで聴いたことのなかった,フランクフルト放送交響楽団
珍しく今回の会場は,上野にある東京文化会館
サントリーホールでのチケットが取れなかったので,次善の策としてこっちを選んだ.
このホールに来たのは約10年ぶりなんだけど,一歩足を踏み入れると昔と何も変わってなくてビックリする.
自分は確実に年取ってるんだけどなあ.

リスト: ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調

ソリストは,アリス=紗良・オットさん.
今まで聴いたことなかったんだけど,この人すごいね.
一言でいうと,水が流れるような滑らかな音楽.
そして,激しいところは荒れ狂う一歩手前で制御するフォルテシモ.久々に引き込まれるソリストだった.
リストの曲をよくあんな風に弾けるもんだ.
多分すごく難しいと思うんけど,傍目にはそういう難しさを感じさせないタイプ.


そしてオケは音が渋い!しかも,いかにもドイツっぽいカッチリしたサウンド
だが,音自体に深みがあるかというとそこがちょっと微妙で,時折音が薄く感じられるときがある.
そこだけが惜しかったなあ.
弦も管もソロは上手だったし,個々の能力は高いと思う.
いつものヤルヴィの統率力でアンサンブルもビシッと決まってる.

ブルックナー: 交響曲第8番 ハ短調

リストでは,結構よい演奏が聴けたので期待していた.
が,残念ながらブルックナーの音楽は裏で常につながっているのだが,そこが時々止まってしまう.
よくよく聴いてみると管の低音が薄くて土台が弱い.
チェロやヴァイオリンが鳴らすところは悪くないのだが,トゥッティになるとどうもイマイチ響かない.
これまで,CDをあれこれ聴きまくって期待値が上がりすぎてたせいもあるかな.
それにしても惜しい.


後日,NHKマーラー5番を放送していたんだけど,こちらはすごくマーラーらしさが出た,よい演奏だった.
サントリーホールに行くべきだったか...