バイエルン放送交響楽団2009年日本公演

バイエルン放送交響楽団

先日のニューヨーク・フィルハーモニックを聴きにいった際に,この公演の広告を見てしまった.
気がついたらチケットを買っていた.なぜか1階13列のほぼ真ん中.
後悔はしていない.

ブラームス: 交響曲第2番

指揮者が登壇しただけで,大きな拍手がわき起こる.まだ何も音出してないよ?みんなの期待が大きい.


演奏が始まると,最初からいきなりうねるような木管のアンサンブル.指揮者の指示に完全についていく.
こりゃすげー.
ヤンソンスはかなり動き回るし,激しいジェスチャーも見せる.が,それでも演奏者もついていく.
指揮者の想いが楽器の音になるまでうまく変換されているようだ.


4楽章のアタマでちょっとミスしちゃったけど,後は完璧.最後の盛り上げ方もすばらしく,当然ブラボーでしょう.

チャイコフスキー: 交響曲第5番

最初から最後まで渋くかつ綺麗な響き.渋いのはいいが,ちょっと綺麗すぎたか?
もう少しロシアの土俗的なノリを期待してたが,「交響曲」として演奏する意識が強かったように感じる.
ここは俺の好みが変わってるだけかもしれない...

総評

一言でいうと,ドイツの放送オケというより,ヤンソンスのオケという印象が強かった.
指揮者とオケの息が完全に合っており,各パートに何をしてほしいかが行き届いている.
聴いていても見ていても楽しいし,次にどんな音が出てくるか期待感が持てる.


近年評価を上げているオーケストラなので,一般的なネームバリューという点では不利かもしれないし,
各パートを見ても突出したところはないのだが,全体としてうまくいっている良い例かと.

最後に

アンコールが終わって楽団員がステージから消えたあと,しばらくして袖からヤンソンスだけ出てきた.
帰りがけの聴衆も完全に不意をつかれたが,荷物を置いてしばらく拍手.
本当にすばらしい時間をありがとう.